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第5回原子力損害賠償・廃炉等支援機構 競争・連携分科会の開催について

平成27年6月2日
原子力損害賠償・廃炉等支援機構


本日、以下のとおり第5回競争・連携分科会を開催いたしましたので、お知らせします。


日時:平成27年6月2日(火)16:00~18:00

場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事内容:
  • 東京電力の経営改革の進捗等について


※後日、議事要旨を公表する予定となっております。

(以上)


第5回原子力損害賠償・廃炉等支援機構 競争・連携分科会 議事要旨


日時:平成27年6月2日(火)16:00~18:00
場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事要旨:
1.東京電力の経営改革の進捗について
 東京電力より、東京電力の経営改革の進捗について以下の通り説明があった。
○ホールディング(HD)としては、情報把握・分析、事業環境変化の予測、戦略策定・実施という経営判断を行うための一連の仕組みを構築しており、今後は各種分析結果を取りまとめた上で、シナリオ設定、シミュレーション実施、戦略策定の前提の共通認識化を経て、戦略策定に繋げていく。
○フュエル&パワー・カンパニー(FPC)としては、JERAの設立を受け、燃料の輸送事業とトレーディングに係る資産承継についての基本合意を中部電力との間で締結した。今後は、事業ごとの規模と事業領域の拡大を通じた投資収益の追求及びバリューチェーン全体のオペレーションの効率化を両輪として事業を推進していくことで、国際競争力あるエネルギー供給を安定的に行っていく。また、火力発電所のバリューアップについては世界最高効率の火力発電所運営ソリューションを構築・スタンダード化し、日本全国のみならずグローバルな展開を目指していく。
○パワーグリッド・カンパニー(PGC)としては、国内トップ水準の託送原価達成にはさらなるコスト削減の深掘りが必要となるため、従前の目標設定に横串を通して再精査し、追加削減方策を見つけていく。また、長期アセット構想、長期事業運営構想については、事業環境が変化する中での最適な設備のあり方を聖域なく多面的に検討していく。
○カスタマーサービス・カンパニー(CSC)としては、アライアンスを通じて、域外販売の拡大、ガス販売の拡大、新しい料金・サービスメニューの開発を進め、競争対応型の体制を構築する。また、電源の調達・運用戦略として、火力電源入札等によるベース電源の積み増し等により将来的には競争力ある電源の調達を進めていく。

 競争・連携分科会委員からの主な意見は以下の通り。
○PGCが国内トップ水準の託送原価達成のためのさらなるコスト削減の深掘りをしていくためには、バリューチェーンの中で設備以外に人件費の精査も行っていく必要がある。
○コストを削減して経営の効率化を図る中で、人材確保・育成も競争力の向上という観点から中長期的な重要課題となってくるため、モチベーション維持も含めて対策が必要である。
○企業価値向上に向けての事業戦略の整理は進んでいるが、戦略を具体的な実行に移すためには時間軸も含めてもう一段踏み込んだ検討が必要である。

2.経営評価の取りまとめに向けて
 機構事務局より、経営評価の取りまとめに向けて以下の通り説明があった。
○ホールディング(HD)は、東電グループ全体を見渡し、最適な資源配分と管理を行うことにより、福島原子力事故の責任を貫徹するに十分な収益力や財務体質を確保しなければならない。HD制の導入に際しては全面自由化の下での競争に各カンパニーが的確に対応できるよう、HDがリーダーシップを発揮して経営を主導していく必要があるが、事業ポートフォリオマネジメントのうち一部戦略投資の評価に着手したばかりであり、未だ対応が不十分である。
○フュエル&パワー・カンパニー(FPC)は、世界のエネルギーマーケットから低廉かつ安定的な燃料の確保を行う重要なカンパニーである。原油価格の大幅な下落や国際的なエネルギー産業の投資活動の変革等、エネルギーをめぐる国際情勢が大きく変化している中で、このような環境変化に機動的かつ効果的に対応するため、燃料調達分野ではJERAを活用したトレーディングやリスク管理・上流投資の早期開始が必要である。
○パワーグリッド・カンパニー(PGC)は、グループ最大の資産を持つとともに、総括原価の下で電力の安定供給の責務を担う重要なカンパニーである。国内トップの託送原価実現という目標を当初予定より前倒しで設定するところまで検討が進んできているが、当該目標の実現のため、原価構造の明確化や収入原価管理体制の構築、バリューチェーン改革等の具体策について検討に着手したばかりである。地域間連系線の増強やスマートメーター設置等については進捗が認められる。
○カスタマーサービス・カンパニー(CSC)は、顧客接点を有するものの、自由化の影響を最も受けやすいカンパニーである。携帯キャリアをはじめとした販売アライアンスに着手しているものの、競争に十分対応できる事業戦略の策定に至っておらず、販売拡大のための新サービス開発や営業力の強化についても検討が遅れている。

 競争・連携分科会委員からの主な意見は以下の通り。
○経営という観点からは外部環境の影響を受けている側面が大きいので、目標の達成と未達の評価についてはその面も考慮に入れておく必要がある。
○各カンパニー間の経営目標の達成度の差を上手く埋めるようなマネジメント機能がHDには必要である。

(以上)