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第6回原子力損害賠償・廃炉等支援機構 賠償・復興分科会の開催について

平成29年3月21日
原子力損害賠償・廃炉等支援機構


本日、以下のとおり第6回賠償・復興分科会を開催いたしましたので、お知らせします。


日時:平成29年3月21日(火)8:30~10:00

場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事内容:
  • 東京電力の経営評価等について


※後日、議事要旨を公表する予定となっております。

(以上)


第6回原子力損害賠償・廃炉等支援機構 賠償・復興分科会 議事要旨


日時:平成29年3月21日(火)8:30~10:00
場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事要旨:
1.東京電力の賠償・復興への取組状況について
 東京電力ホールディングスから、賠償・復興への取組状況について以下の説明があった。
○賠償の支払状況について、個人の方への賠償は未請求の解消に向け、ダイレクトメールを送るなどの取組を進めている。今後は、区域外の農林業の風評賠償方針や、公共賠償の在り方について検討を進めていく。
○除染に関する活動については、社員16万人日の活動参加を目標としていたが、すでに16万8千人を達成。3月末で面的除染が終了予定だが、今後もモニタリング業務やフォローアップ除染、中間貯蔵施設の関連の業務などへの技術的な協力をしっかりと行っていく。
○復興推進活動については、1月で派遣人数が32万人日を超えた。最近では、除草や片付け作業に加え、帰還された方や一時帰宅されている方を訪問し、お困りのことを聞いて、対応を行っている。
○復興に向けた取組として、福島相双復興官民合同チームの活動に協力するとともに、東電としても、IGCCの造設や中小水力の設備改修、再生可能エネルギーの導入に向けた変電所改修などの点で、地域復興策への貢献を続けている。
○2014年11月に東電が中心となって作ったふくしま応援企業ネットワークは、参加企業が35社に拡大。物産購入や旅行などの形で、福島の復興を応援しており、今後も取組を継続していく。
 賠償・復興分科会委員から以下の意見があった。
○震災後、東京電力としても様々な取組を進めてきたかと思うが、被害を受けられた住民の皆様方にとっては、帰還してからが復興のスタートであり、今まで以上に東京電力が一歩前に出て、まちおこしなど、住民の皆様に見える形で復興に貢献していくことが重要。
○官民合同チームで商工業者を回っている取組は評価できる。今後、自立支援策がより重要になるため、本地域の商工業の新しい展開についても考えていかなければいけない。
○農林漁業の風評被害については、購入しようと思っても福島県産が棚に置かれていない状況を考えると、中間的な流通にも着目すべきではないか。新しい販路の開拓を含めて、東京電力でも考えてもらいたい。
○現地の復興を考えると、除染土壌の入ったフレコンパックの撤去や、中間貯蔵施設の施設造成は重要であり、引き続き、東京電力からも人的・技術的な貢献を継続すべき。
○福島第一原子力発電所の廃炉が地元雇用の創出につながる面もあるので、廃炉に関連した事業者誘致や資材調達など、社内の廃炉部署とも連携してしっかりと検討してもらいたい。
○福島第一原子力発電所に近い市町村ほど、すぐには住民の方が戻らない傾向にあり、こうした状況において、どのようにビジネスを成り立たせていくかという点も考えなければいけない。
○国や自治体と連携して復興を進めていくにあたって、まずは東京電力社内で福島の現状や重要性を共有し、経営陣や社員が同じ意識を持つことが重要。
○廃炉の状況や進捗に関する情報は、丁寧な伝え方をしなければ、復興の足かせになってしまう懸念がある。廃炉の現場を見ている技術サイドが、復興に寄り添っていく姿勢を深めることが必要ではないか。
○イノベーション・コースト構想でコミットしている技術者研修拠点やアーカイブといった施設については、オンサイト・オフサイトでしっかりと連携して、廃炉にも復興にも有意義なものにしてもらいたい。
○昨年末の東電委員会の提言で、東京電力の経営に対する強いメッセージが出され、まさに新しい事業計画を策定中だと承知しているが、新しい東京電力の経営体制の中でも福島復興が非常に重要なものであるという位置付けは決して変わってはならない。
 オブザーバーから、以下の意見があった。
○農林水産物の風評被害については、2月から風評払拭対策協議会という会議体で議論を行っており、この会議に東京電力も参加して販路拡大などの取組を説明してもらいたいと考えている。
○福島イノベーション・コースト構想については、各プロジェクトについて方向性が見えてきた中、東京電力の技術者研修拠点(廃炉人材育成)の整備は検討が遅れている。福島県が整備するアーカイブ施設との連携も含め、東京電力としてもしっかりと貢献してもらいたい。
○被災地の企業誘致を進めているが、福島第一原子力発電所に近い地域については、廃炉の関連企業の誘致が期待されており、今後、東京電力と連携して進めていきたい。
○昨年12月の福島復興指針や今後国会で審議される福島特別措置法の中で、国も福島復興にしっかりとコミットしており、東京電力としても復興拠点の整備、除染、片付けなど、住民の皆様の見えるところで活動してもらいたい。

2.東京電力の経営評価について
 機構事務局から、東京電力の経営評価について以下の説明があった。
○賠償に関する取組については、個人の方への賠償の請求率が99%となり、商工業者・農林業者の方に対する一括賠償を行うなど、進捗が認められる。今後は、区域外の農林業賠償や公共賠償について、検討を加速する必要がある。
○除染・帰還に関する取組については、除染実施に関する技術支援などで16.9万人日を、清掃・草刈りなどの復興推進活動には26.2人日を投入しており、進捗が認められる。今後は、フォローアップ除染等に対する貢献や、帰還後の生活における課題への対応が求められる。
○復興に関する取組については、官民合同チームへの人的・資金的貢献やアンケート調査における活動意義の評価など、進捗が認められる。一方で、イノベーション・コースト構想の実現については技術者研修拠点の検討など、一部遅れが見られる。
 賠償・復興分科会委員から主として以下の意見があった。
○技術者研修拠点という個別の問題ではなく、今後、東京電力が復興を進めていくにあたっては、オンサイト・オフサイト、つまり福島復興本社と廃炉カンパニーの連携が重要。評価の中でこのメッセージを強く出して、福島復興本社だけではなく、東京電力全体でこの評価の意味を共有してもらうことが必要。

(以上)