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第1回地域共創小委員会


日時:平成30年5月17日(木)9:00~10:30

場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事内容:
  • 地域共創に向けた取組の基本方針について
  • 東京電力の取組状況について

(以上)


第1回地域共創小委員会 議事要旨

日時:平成30年5月17日(木)9:00~10:30

場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事要旨:
1.地域共創に向けた取組の基本方針について
 機構事務局より、地域共創に向けた取組の基本方針について説明があった。
○東京電力は、立地地域をはじめとした社会の信頼回復に向けて、今後も取り組んでいく必要がある。また、経営改革に取り組んでいることに鑑みれば、その妥当性等がしっかりと確認された上で進められることが重要。
○東京電力においては、地域共創小委員会で定める基本方針を踏まえて、行動計画の変更・新規策定及びその取組を検討してほしいと考えており、具体的には以下の7つが基本方針案の内容。
 ①福島第一原子力発電所事故の反省に基づき、科学的・技術的な側面からの安全性追求は当然のこととして、社会的な側面からの地域社会の安心確保にも努めてほしい。
 ②社会インフラを提供する事業者であることを踏まえ、その事業を通じて得た恩恵をその他の取組で活用するに当たっては、地域社会の公共の利益に資するものとしてほしい。
 ③地域社会の中長期的な発展に繋がる様々な取組が考えられるが、誰に、何の価値を、どのように提供するのかについて検討した上で、特に必要性が高い取組から優先的に実施してほしい。
 ④持続的に地域社会に恩恵をもたらすことや経営に対して効果的であることといった観点での事業性を有し、持続的な取組としてほしい。
 ⑤社会インフラ事業の経験による知見を活かし、地域社会の基盤創造に貢献してほしい。
 ⑥地域社会の他のメンバーと双方向の対話を行い、交流することで、相互理解を深めるといった取組を継続的に行い、地域社会における信頼を構築してほしい。
 ⑦検討中の取組が、どのような因果関係で影響を与えるのかについて吟味し、その目的を達成するためのストーリーをしっかりと説明してほしい。
○東京電力による個々の取組が、7つの基本方針の全ての性質や方向性を満たす必要があるわけではないが、地域共創小委員会としては、基本方針に沿って議論、助言していきたい。
○東京電力が、首尾一貫して責任を持ってやり抜くことや、様々な関係者と協力連携しながら整合性は確保しつつ、有機的に連携して相乗効果が高めていくことが重要。
○特別事業計画において寄付金等を原則中止している中で、寄付金等を拠出する場合は、基本方針を踏まえながら、特に社会に対して広く説明責任を果たす必要がある。
○刻一刻と変化する状況も踏まえ、必要に応じて取組を改善していくことが不可欠であり、地域共創小委員会としても、適時に東京電力の取組の進捗を確認していきたい。

2.東京電力の取組状況について
 東京電力ホールディングスより、東京電力における立地地域への取組状況について、以下のとおり説明があった。
○原子力発電所等の円滑な運営に加え、原子力を取り巻く様々な経営課題に対処するためには、地元自治体や地域の皆様からの御理解と御協力が不可欠。
○福島第一原子力発電所事故以降、対話活動や人的貢献を軸に理解醸成を深化させ、信頼回復に努めてきたが、さらなる信頼回復・事業運営の円滑な実施に向け、各立地地域の課題に対応した行動計画を策定し、今後はこれらを着実に実現していくことが重要。
○福島については、福島第一原子力発電所事故以降、福島への責任を貫徹することが東京電力の最大の使命であるため、これまで廃炉・復興・賠償等に全力を傾注している。さらなる帰還の促進に向けた復興の加速や風評の払拭などが課題になっており、これまで以上に主体性と責任を持って取組を行っていくため、風評被害に対する行動計画を策定。
○新潟については、柏崎刈羽の原子力発電所6、7号機の新規制基準の審査を受けているところであり、並行して安全対策工事を実施中。
○新潟県における検証委員会において検証が実施されているが、東京電力としても非常に重要だと考えており、しっかりと協力していく。地元の理解・信頼獲得が大きな課題であり、様々な取組を展開している。柏崎刈羽地域をはじめ、新潟県の皆様の想いに誠心誠意お応えし、地域に根差した企業となるため、新潟本社行動計画「まもる・そなえる・こたえる」(以下、新潟本社行動計画)を策定。
○青森については、東通村において、現在2基の原子力発電所の建設を計画しているが、1号機を着工した直後に東日本大震災が起こり工事を中断して見通しが示せていない状況にあり、地域経済等にも多大な影響を及ぼしている状況。これから事業をしっかりと進めていくため、立地地域と共存・共栄のための施策策定に向けた検討を実施していきたい。
○東京電力は、福島第一原子力発電所事故以前から地域社会の一員として共存・共栄するという観点から、地域振興や地域社会への貢献に取り組んできた。今後、行動計画等の実現に向けて具体的な取組を進めていくに当たっては、福島第一原子力発電所事故の反省を踏まえた安全・安心への貢献や直接対話を通じたコミュニケーションを、以前よりも一層進化させることが必要。さらに、現在の東京電力の現状も踏まえて公益性や必要性、事業性等についても十分に検討していくことが重要。こうした観点も踏まえて、共存・共栄関係の構築に向けて統一的な方針に則って行動計画等を着実に実現していきたい。
○福島県産品の安全性は確保されるようになったが、その情報が十分に流通関係者や消費者に伝わらず、事故前の流通経路が回復しないといった課題が継続している。
○その課題を解決するべく、風評被害に対する行動計画を策定し、それを実行する組織として、ふくしま流通促進室を設置。
○東京電力グループ全体での福島県産品の購入拡大やふくしま応援企業ネットワーク会員企業内での福島県産品の利用支援、外食業界、小売・量販業界への福島県産品取扱い促進活動に取り組んでいる。
○東京電力のみで風評を払拭できるわけではなく、業界の方々や国、県ともよく相談をして、先鋭的な取組に挑戦して成果を上げていきたい。
○新潟本社は柏崎刈羽原子力発電所の安全対策工事を確実に進めるとともに、それを地元の皆さまにお伝えするための広聴・広報活動を展開。再稼働に向けては、新規制基準に対応した安全対策工事を確実に進め、地元の皆様からご理解をいただくことが必要。
○安全対策工事については、昨年の12月に原子炉等規制法の設置変更許可いただくところまで進み、引き続き具体的な工事に取り組んでいる。
○地元からの理解については、本年3月に、新潟本社行動計画を公表したところ。行動理念として「まもる」「そなえる」「こたえる」の3つを定め、さらに基本姿勢として「安全性向上」「運営体制の構築」「防災支援」「地域貢献」「傾聴と対話」の5つを定めた。新潟県の皆様から伺った声を具体的な取組に反映していきたい。

 地域共創小委員からの主な意見は以下のとおり。
○人口減少といった今後の変化を踏まえた地域のグランドデザインや将来ビジョンの視点が重要。
○取り組むべきことを検討するに当たっては、データ分析が重要であり、例えば、福島においては、具体的な商品等に関するデータを示すべき。
○一つ一つの言葉には意味があり、受け手の印象は大きく変わるので、注意して用いる必要がある。例えば、「ふくしま」といったように平仮名を用いているブランドはどの程度あるのか。
○地域共創という言葉が、具体的にどのような取組を意味しているのかについて、より明確化することで、7つの基本方針案との整合性が分かりやすくなるのではないか。
○東電がコミュニティの一員であるということや、その上で主体性を発揮することは、地域共創の重要な要素。
○地域共創のためには、現地にいる社員ができるだけ長く、地元の人たちと同じように根を下ろすことが必要。

(以上)