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第72回原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員会の開催について

令和2年3月5日
原子力損害賠償・廃炉等支援機構


本日、以下のとおり第72回運営委員会を開催いたしましたので、お知らせします。


日時:令和2年3月5日(木)14:00~16:00

場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事内容:
  • 新たな特別事業計画の策定について 等

※後日、議事要旨を公表する予定となっております。


(以上)


第72回原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員会 議事要旨


日時:令和2年3月5日(木)14:00~16:00
場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事要旨:
1.次期総合特別事業計画に向けた検討について
 東京電力ホールディングスより、次期総合特別事業計画に向けた検討状況について、以下のとおり説明があった。
○東京電力は、経営理念の見直しに当たり、取り巻く事業環境が大きく変化する中で、個々の社員が「お客さまのための変革への挑戦を価値基準として行動する」こと等を通じて、信頼され選ばれ続ける企業を目指す。
○改革を牽引する人財の育成・確保、体制の整備やDXを通じた業務の刷新、重点事業への優先的な資源配分等を図ることにより、事業基盤の強化を目指す。また、外的要因を言い訳にせず、お客様のために何ができるのかを考え行動していくような組織を作っていく。加えて、社員がやりがいを感じ、より主体的に取り組んでいくことのできるような事業展開を追求していく。
○企業価値の向上に向け、原子力共同事業化に関する基本合意や、小売分野でガスの販売プラットフォームを設立するといった他社との再編・統合や協働の取組を実施。燃料・火力、送配電、再エネの分野でも、こうした取組を加速させていく。
○小売事業については、競争の進展により収益力が低下しているため、今後は価値提供の差別化等、お客様ニーズを捉えたサービスを提供することで、電力小売の収益安定化とともに電力調達費用の削減等を図り、収益改善に取り組む。
○大口法人には、付加価値サービスによる差別化に一定の成果があったことから、今後はニーズの高いESP(エネルギーサービスプロバイダ)等による差別化を図る。また小口法人にはエネルギーマネジメントシステムにより省エネに訴求するといった差別化を図る。
○家庭分野には、割引キャンペーン等によるガスとのセット販売に加え、安全・安心の価値提供サービスを開始し、一定の効果を得た。
○電源調達については、電源固定費の削減を含め、東京電力グループ全体として最適な形を目指す。
○送配電事業については、海外のトップ企業を意識しながら、更なる経営効率化等の取組により、新々・総特で掲げた、グローバルトップレベルの事業運営基盤の確立(2025年度の託送原価を2016年度比で1,500億円程度削減)という目標の達成に引き続き取り組んでいく。
○託送原価の低減に向けては、デジタル技術の活用による生産性の向上や取引先との協働によるサプライチェーンの改善といった、非連続な改善策を講じていく。
○原子力発電は脱炭素社会に不可欠な電源であり、電力の安定供給を支える電源として期待されている。そういった点からも、柏崎刈羽原子力発電所の審査対応や設計工事を着実に進め、再稼働を目指す。
○原子力について、更なる安全性・経済性の向上と事業体制の強化を目指し、電力とメーカーの垣根を越えた共同事業化の検討・協議を加速する。また、東通原子力発電所はこうした枠組みの中で実現を目指す。
○再エネ事業については、当面は既存の水力発電所のリプレース等により基盤を強化し収益を確保する。その上で、これまで培ってきた経験・ノウハウを活かして海外水力発電事業に参画し、バリューアップを通じた収益拡大を目指す。
○廃炉については、2019年12月の中長期ロードマップ改訂を受け、目標実現に向けた具体的な計画を策定中。東京電力自身がしっかりとエンジニアリング能力を身に着けることが重要。
○「復興と廃炉の両立」という大原則の下、今後は廃炉事業への地元企業の参入機会の整備など、地域経済の活性化に向けた地域共生の取組についても進めていく。
○電力会社として脱炭素に貢献するためには、再エネの普及に加えて、EVを始めとした電化を進めることが重要。

 運営委員等からの主な意見は以下のとおり。  
〇「お客様のための変革への挑戦」という新たな経営理念を検討しているとのことだが、お客様の求める価値が絶えず向上していくと想定すると相当な努力が必要となる。新たな経営理念については、そういったことも念頭に、実態のあるものとしていただきたい。
○収支がどのような見通しとなるかについて根拠を持ってしっかりと示していただき、また、織り込んでいた施策が未達となった場合のコンティンジェンシープランについても示していただきたい。
○小売事業について、どのように電源調達費の削減を想定しているのか。電源調達費を削減するに当たっては、グループ発電会社への影響も考慮すべき。
○単価と販売数量を同時に上昇させることは難しい。他社との差別化を図ることのできるよう、お客様の事情に応じて、東京電力ならではの価値を提供できるよう検討すべき。
○小売事業に関する施策については、今後の状況変化等も踏まえて、その成否を検証し、改善していくことが重要。
○送配電事業は独占事業のため内向きになりがちな中で、グローバルトップレベルの託送原価を実現するという目標を掲げ、世界に目を向けることは非常に重要。目標の実現に向けて、社内の士気を高めながらも謙虚に取り組んでいただきたい。
○真に調達改革を進めるためには、これまでの他者との取引の在り方も見直し、現場レベルまでそれを徹底的に浸透させていくことが重要。
○原子力事業について、2019年8月に共同事業化に関する基本合意書を締結しているが、その取組状況を伺いたい。
○再エネ事業については、本年4月に分社を予定しているところ、どのように収益を拡大していくのか。
○廃炉作業について、福島の方々の安心のためにも、具体的な計画の策定は重要。引き続き計画の作成を進め、しっかりと地元の方々への説明を行っていただきたい。
○廃炉作業について、実際に作業を行う業者の中でも、地元下請業者にとっては、元請企業との技術力のギャップが大きいため、活躍の機会が大きく制限されるのではと懸念されるが、実際に、地元企業との協業は進んでいくのか。
○CO2に対する世界の関心が高まる中で、日本はレッテルを貼られているような状況であり、東京電力として何らかの提言や将来像を打ち出すべきではないか。
○会社としての人財戦略については、福島への責任を果たしながら、エネルギー企業として成長していくために、どのようなことを打ち出していくのか。
○福島への責任を果たし、更なる収益の向上を目指すためには大きな改革が必要。そのためにデジタル技術の活用をもっと真剣に検討すべき。
○DXの取組を進めるに当たっては、他者の事例を学ぶ等、東京電力グループはもとより、他事業者とも連携を行い、自社の取組に活かしていただきたい。

(以上)