トップページ>賠償支援>運営委員会運営委員会議事次第>第70回委員会 議事次第 議事要旨

第70回原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員会の開催について

令和元年12月9日
原子力損害賠償・廃炉等支援機構


本日、以下のとおり第70回運営委員会を開催いたしましたので、お知らせします。


日時:令和元年12月9日(月)13:30~15:30

場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事内容:
  • 東京電力の取り組み状況について 等

※後日、議事要旨を公表する予定となっております。


(以上)


第70回原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員会 議事要旨


日時:令和元年12月9日(月)13:30~15:30
場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事要旨:
1.新々・総合特別事業計画の取組状況について
 東京電力ホールディングスより、新々・総合特別事業計画の取組状況について、以下のとおり説明があった。
○カイゼンなどを通じて稼ぐ力は徐々に蓄積しているものの不十分。福島への責任を貫徹するため、既存事業の構造改革と新しい成長機会の創出を引き続き行う。
○競争激化に伴う小売事業の収益悪化を食い止めるとともに、徹底した合理化によるコストダウンの深堀りに加え、新規事業の拡大や、既存事業の選択・強化など事業ポートフォリオの大胆な再構築により、利益の早期獲得と中長期的な利益底上げを目指す。
○福島責任の貫徹のため、新々・総特に掲げた、賠償・廃炉に関して年間約5,000億円を確保した上で、除染費用捻出のために利益を創出し企業価値を向上させるという目標の達成に全力で取り組む。
○賠償については、損害がある限り最後のお一人まで賠償という方針に変わりはない。その上で、復興に向けた取組に一層注力し、現地の事業の再開や、風評の払拭等に向けた貢献を継続していく。特に、廃炉事業については積極的に地元企業に御協力いただき、地域との共存共栄に向けて、地域に根付く産業として事業集積を図っていくことが重要。
○送配電事業は、新々・総特において託送原価を18年度に国内トップレベル、年平均1,200億円程度の廃炉等負担金を捻出するという2点を当面の目標として掲げ、足下は達成。
○将来的には、レジリエンスや高経年設備の対策費用の増加などが見込まれるが、カイゼンの深化やデジタルトランスフォーメーション、アセットマネジメントシステムの導入など、更なる取組を引き続き進めることで、25年度に世界水準の託送原価を実現する目標に向けてチャレンジしていく。
○送配電設備について、従来の点検・故障データに加え、設置環境や使用状況などの運用データを加えて個別の機器毎に寿命を分析するアセットリスク評価を通じた効率化や、計画的な工事による工事時期の平準化に取り組む。
○来年度に設置が完了するスマートメーターのデータ等を活用し、顧客の利便性向上や新事業での活用につなげるべく、他社と連携してグリッドデータバンク・ラボという有限責任事業組合を設置し検討を始めたところ。
○送配電事業の基盤となる託送事業に加え、海外事業などを通じたイノベーションも取り込みながら、地産地消の再エネ、エネルギーマネジメントシステムなどの新たな事業にも対応したビジネスに取り組む。
○小売事業については、キロワットアワー主義から利益主義への転換を目指す。
○電気を売るためのソリューション・付加価値提供に留まらず、付加価値提供をメインで販売できるような変革が必要。
○家庭向けの販売では「安心・安全」を訴求すべく、トラブルに24時間対応する体制整備、機器修理の保険サービスなどを実施。オペレーションの効率化に加え、全体としてどのような事業を展開していくかが検討課題。
○燃料・火力事業については、19年4月に、既設の火力発電所を含めた事業を全てJERAに完全統合したところ。LNGトレーディング、火力IPP、洋上風力を中心とした再エネ事業などの海外事業に重点を置きつつ、統合シナジーの発揮に向けて取り組む。
○石炭火力への逆風が強くなる中で、フェードアウトあるいはリプレースなどを含め、長期的に石炭火力をどのように扱っていくかは非常に重要なテーマ。
○事業ポートフォリオについては、電化の進展を見据えた将来の事業成長につなげるべく、外部人材の活用も含めて推進し、企業価値を向上させていく。
○再エネについては、既存の水力発電設備のリプレースによる価格競争力確保、環境価値を訴求した料金創設、洋上風力、海外事業の拡大を軸に取り組む。

 運営委員等からの主な意見は以下のとおり。  
〇東京電力グループ全体として、福島への責任と電力の安定供給を果たすために必要な利益を確保することが求められる。グループ経営全体の収支における各事業の貢献度や見通しを分かりやすく示すべき。
○新々・総特における個別目標の達成が収支や結果に結びついていないと感じる。より本質的な課題を設定し、実現性の高い施策を検討して取り組むべき。
○収支の見通しが厳しいとのことだが、特殊な外部要因を除き、自らコミットした利益目標については実行可能な対策を検討し、その実現に向けて引き続き取り組むべき。
○福島事業は最優先の位置づけだが、どのようにすれば責任を果たしたことになるのか。
○託送原価低減について、新々・総特で掲げた目標の実現に向けて取り組むべきと考えるが、その見通しはどうか。
○送配電設備におけるアセットリスク評価の導入は、具体的にどのようなことを行うのか。
○送配電は協調領域であり、本来は積極的に他社とノウハウを共有してトータルのコストを下げていくべき。競争の中でも円滑に協調が進むよう、国や電力業界全体で取り組むべき。
○自由化された小売が非常に厳しい経営状況の中で、これまでの延長ではない抜本的な対策が必要。
○小売の競争が厳しい中で、東京電力の競争力の源泉は何か、強みをどう活かして競争を勝ち抜いていくか、改めて分析し、考えていくべき。
○東京電力の石炭火力に関しては現在どのような状況か。
○新規事業は1つの大きな鍵。既存事業と新規事業に対し、どのようなキャピタルアロケーションを行うか、時間軸も含めて議論すべき。また、他社との連携、外部人材の活用も真剣に検討すべき。

(以上)