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第63回原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員会の開催について

平成30年3月28日
原子力損害賠償・廃炉等支援機構


本日、以下のとおり第63回運営委員会を開催いたしましたので、お知らせします。


日時:平成30年3月28日(水)16:30~18:30

場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事内容:
  • 機構の予算等について
  • 負担金、廃炉等積立金について
  • 要賠償額の変更(新々・総合特別事業計画改訂)について
  • 東京電力の取り組み状況について 等

※後日、議事要旨を公表する予定となっております。


(以上)


第63回原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員会 議事要旨


日時:平成30年3月28日(水)16:30~18:30
場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事要旨:
1.廃炉等積立金制度に基づく取戻し計画等について
〇 3月14日に廃炉等実施計画書(※)について、機構を経由して主務大臣に提出を行った。
(※)廃炉等の実施に関する方針、廃炉等の実施の状況、廃炉等の実施に関する計画、廃炉等を実施するために必要な技術に関する研究及び開発の状況、廃炉等の適正かつ着実な実施を確保するための体制をとりまとめた文書  
○廃炉等実施計画書の内容を踏まえて取戻し計画を作成。当該計画に盛り込んだ主な廃炉作業は次のとおり。
 ?汚染水対策については、サブドレン・凍土壁・フェーシング等の対策を重層的に進めてきたところ、線量の高い3号機タービン建屋上屋等のガレキ撤去や防水等の雨水流入防止対策にも取り組み、汚染水の発生を更に抑制する。
 ?プール燃料取り出しについては、3号機の2018年度中頃目処の取り出し開始に向けてドーム屋根の吊り上げが完了。燃料取扱設備の試運転・訓練及びプール内小ガレキの撤去後に燃料取り出しを開始する。1号機・2号機においても、3号機の進捗に応じて作業を進めていく。
 ?燃料デブリ取り出しについては、2019年度の初号機の取り出し方法の確定に向けて、2017年度より予備エンジニアリングを実施する。並行して、燃料デブリの分布等について、より広範囲に精度よく把握することを目的に、原子炉格納容器内部調査を実施する。
 ?廃棄物管理等については、当面10年程度の固体廃棄物発生量予測を踏まえた保管管理計画を策定しており、これに必要な設備の新設・増設を行う。
○取戻し計画では、取り戻そうとする廃炉等積立金の額として、今後3年間の廃炉費用をプログラム等別に計上。加えて、これらの額以外の支出に備えた予備費も計上。
○廃炉作業については、2017年から本格的にカイゼンに取り組んでいる。

 運営委員等からの主な意見は以下のとおり。  
○予備費の計上は必要不可欠と考えるが、予備費は使用されなかった場合どうなるのか。
○使用済み燃料や燃料デブリを、格納容器内や敷地内に保管するといったことに関する整理・説明や廃棄物について、今後どのような対策を練っていくのか明確にしていくことが重要。
○燃料デブリ取り出しの手法の検討に当たっては、バックアッププランについても検討が必要である。
○カイゼンの取組の一方で、品質や安全に問題が生じてはならない。

2.廃炉等積立金・負担金・予算・定款・業務方法書について
 機構事務局より、廃炉等積立金・負担金・予算・定款・業務方法書について、以下のとおり説明があり、議決が行われた。
○廃炉等積立金については、取戻し計画に基づき来年度の支出が見込まれる1,913億円と積み増し分としての2,000億円を合わせた3,913億円とさせていただきたい。
○負担金については、一般負担金は前年と同率・同額に、特別負担金は、交付国債の元本分を早期に回収する必要性及び廃炉の実施や中長期的な企業価値の向上等を含めた円滑な事業運営のための原資の確保の必要性のバランスを取る観点から、2017年度の経常利益や当期純利益等の収支の見通し、新々・総合特別事業計画における収支計画、廃炉等積立金及びこれらに関連する額等を踏まえ、700億円としたい。
○これにより、東京電力においては年間5,000億円規模の賠償・廃炉の所要資金の確保を初めて実現することとなる。
○廃炉等積立金の運用については、安全性を第一義に流動性及び効率性を確保する基本原則の下、運用環境の見通しも踏まえ、原則として大口定期預金又は譲渡性預金で行う計画としている。
○機構予算については、前述の負担金や廃炉等積立金について反映させるとともに、事業費等の合理化を図りつつ編成することとしたい。
○業務方法書については、廃炉等積立金管理業務に関する規定の追加のほか、地域との共生関係の構築について明確化したい。

3.新々・総合特別事業計画の取組状況について
 東京電力ホールディングスより、新々・総合特別事業計画の取組状況について、以下のとおり説明等があった。
○足下の厳しい競争状況を踏まえ、小売販売は新々・総合特別事業計画からの減少を見込むも、新電力・JEPX等に対する卸販売拡大により、総販売量は一定水準の確保を見込む。
○2018年度は、新々・総合特別事業計画を上回る利益を確保する見込み。2019、2020年度については、厳しい経営環境下において、固定費削減や電気事業以外の利益増により同計画の利益水準を目指す。
○賠償・廃炉に必要な費用として、廃炉等積立金と負担金を合わせて、毎年5,000億円程度の確保を見込む。
○託送原価について、2018年度に、新々・総合特別事業計画における目標(2016年度比500億円以上削減)を上回る削減を実現し、廃炉等積立金の原資とする。
○ガス販売の拡大については、東京エナジーアライアンスを通じた販売網強化、事業展開の加速によって、新々・総合特別事業計画における目標を1年前倒した2018年度での100万軒の顧客獲得を目指す。
○2月27日、中部電力との間でJERAへの事業統合に係る資産・負債の範囲やスケジュールに合意。2019年4月の事業承継によりJERAに一連のバリューチェーンが完成し、総資産は3.7兆円に拡大。2025年度には純利益額2,000億円程度の水準を目指す。
○柏崎刈羽原子力発電所については、新潟県の3つの検証委員会への積極的協力、地元本位の行動計画に沿った具体的取組を通じて、早期再稼働に向けた地元理解の獲得を目指す。
○官民合同チームへの人的協力、農林水産業再生等に向けた農家や自治体等への直接的な人的協力など、事業・生業や生活・自立に向けた取組を継続。
○福島イノベーション・コースト構想の実現に向けた民間企業協議会に幹事会社として参画。民間視点での事業創出を目指し活動。
○2020年~2021年にかけて稼働する2基のIGCC建設推進、廃炉資材等の福島県内企業からの調達推進等により、雇用創出、地元裨益に貢献。
○帰還促進に向けて、清掃・除草、見回り活動等、帰還・生活環境整備を継続。
○福島に本社を置くグループ会社を活用し、東電グループ大で地元対応に傾注。復興の加速化に向け、地域と東電グループが共存・共生し、地域の価値を高める取組を実現すべく、更なる体制強化を検討していく。
○2018年1月末、風評被害に対する行動計画を発表。その実行組織として「ふくしま流通促進室」を新設し社内体制を強化。今後、地元をはじめ関係箇所と相談しながら計画を具現化・実行し、風評払拭に向けた取組を拡充していく。

 運営委員等からの主な意見は以下のとおり。  
○新々・総合特別事業計画ベースの経常利益の達成のためには販売強化だけではなく、コスト削減にもしっかりと取り組む必要がある。
○被災者が地元への帰還に当たって不安を抱かないよう、被災地の復興にはアンテナをしっかりと張って取り組んでほしい。
○JERAが完全統合した場合、同社から福島事業への貢献は行われるのか。
○高齢化の進展等といった企業経営にとってのパラダイムシフトを踏まえて、2020年頃より先の東京電力の経営について、改めて議論が必要。
○将来的に再生可能エネルギー事業が東京電力の経営計画にどのように響いてくるか、あるいは東京電力としてどう取り組むのかは今後考慮すべき点である。

4.資金援助額の変更に向けた新々・総合特別事業計画の改訂について
 東京電力ホールディングスより、資金援助額の変更に向けた新々・総合特別事業計画の改訂について、以下のとおり説明があり、議決が行われた。
○今回、要賠償額が6,848億円増加したことを踏まえ、資金援助額を10兆2,006億円に変更したい。
○除染見積額が約1,928億円、中間貯蔵見積額が約2,386億円、出荷制限や風評被害等の見積期間延長や支払実績増加等に伴う被災者賠償見積額が約1,835億円、公共財物に係る見積額が約698億円増加した。

5.地域共創小委員会の設置・進め方について
 機構事務局より地域共創小委員会の設置・進め方について説明があった。
○東京電力ホールディングスによる社会の信頼回復に向けた「地域社会の発展を共に創る取組」について、その妥当性等を確認するため、地域共創小委員会を設置する。
○まずは、東電による「地域社会の発展を共に創る取組」の妥当性等を議論する際に依拠する基本方針を策定し、その上で、東電による個々の地域の行動計画や具体的な取組について、議論・助言等を行う。その状況については運営委員会に適時報告する。

 運営委員等からの主な意見は以下のとおり。  
○地元自治体からは地域の復興に向けて東電等と協力して取り組んでいきたいという意見が出てきていることを踏まえれば、委員会の設置は時宜にかなった取組と評価できる。

(以上)