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第60回原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員会 議事要旨


日時:平成29年4月25日(月)9:30〜11:30
場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事要旨:
1.委員長等の選任について
 新しい運営委員長として増渕委員が、運営委員長代理として金本委員が選任された。

2.新々・総合特別事業計画について
 東京電力ホールディングスより、新々総合特別事業計画について、以下のとおり説明等があった。
○総合特別事業計画から2回目の全面改訂になるが、前回、前々回にも増して課題が多く出てきている状況と認識。昨年4月に、電力小売全面自由化とホールディングカンパニー制への移行という2つの大きな改革を同時に行っており、今後10年間の計画を進めていく上でも、まずは足元をしっかり鍛え直して取り組んでいきたい。
○福島への責任を果たすことが東電の原点。その責任を果たすためにも非連続の改革に取り組んでいく。
○東電が確保すべき必要資金規模は東電委員会等で約16兆円と試算されている。電力自由化等により国内事業環境が大きく変わる一方で、海外市場では新たな収益拡大機会も存在。
○計画のエッセンスとしては、賠償については「3つの誓い」に基づき賠償の支払いを進め、復興については、復興のステージに応じた貢献を続けていく。また、廃炉については、燃料デブリ取り出しなどを本格化するとともに「プロジェクト管理機能」を一層強化するということが挙げられる。
○収益改善については、賠償・廃炉に関して廃炉等積立金を含めて年間5,000億円を確保するとともに、より長い時間軸でさらに年間4,500億円規模の利益創出も不可能ではない企業体力を確保する。このため、生産性改革、柏崎刈羽原子力発電所再稼働の実現、さらに共同事業体の設立を通じた再編・統合に取り組んでいく。
○生産性改革については、10年以内に2000億円超/年を達成することを目指しており、内訳としては各社の取組を積み上げている。各社では、これをKPIとして設定し、達成に向けて進捗を管理していくとともに、より早期の達成を目指す。
○共同事業体の設立に際しては、事業運営の在り方や出資比率に柔軟性を持つこととする。早急に潜在的なパートナーの再編・統合に係るに意見を聞くプロセスを開始し、募集要件や日程等の具体的な進め方については、今秋を目途に国・機構と協議した上で、決定する。
○機構の記載箇所になるが、公的資本の回収と国の関与の在り方については、機構はモニタリングの重点化を行い、この結果に基づき、国と連携して、2019年度末を目途に同年度以降の国の関与の在り方を検討する。公的資本の回収についても、東電HD株の売却のみに手法を限定せず、東電が共同事業体に対して保有する持分の在り方も含め幅広く検討する。
○株主に対しては、無配の継続等に協力いただくことを要請し、今後の配当については、収益・債務の状況、賠償・廃炉に係る東電の支払いの実績及び見通しを踏まえながら、検討していく。
○資金援助についても申請を行う予定としており、要賠償額は977億円の増加を見積もっている。
○廃炉については、震災直後の緊急的に取り組まざるを得ない段階から先々を見据えて戦略的に進めていく段階に移りつつあり、特にプロジェクト管理能力の強化やコミュニケーション部門と現場の連携強化などをしっかりと行っていく。また、イノベーション・コースト構想への参画や、福島県内事業者からの調達などにより、廃炉カンパニーも福島復興へ貢献する。
○燃料・火力事業については、包括的アライアンスの推進、JERAと一体となった事業展開、O&M改革などの火力発電所運営のバリューアップ等に取り組む。特にJERAの企業価値向上に向けた事業活動が不合理に妨げられることのないよう、予見性のある配当ルールを設定するなどの措置を導入する。
○送配電事業については、カイゼンの推進による国内トップレベルの託送原価の実現、統合的運用等に向けた他電力との対話促進等に取り組むとともに、中長期的には2025年度には世界水準の託送原価を実現する。また、事業環境について、遠隔地の発電所立地と一括送電という構造は変貌しており、こういった環境変化を踏まえて取り組むべき課題についても言及。
○小売事業については、自由化により競争が激化しており、単なる電力販売ビジネスから収益構造の転換を図っていくため、ガス販売や省エネビジネスを進める。中長期的にはアライアンス拡大による事業成長を図る。
○原子力事業については、安全最優先と地元本位の方針の下で、再稼働の実現を図る。また、企業価値向上へ向けて共同事業体の設立を図る。
○再生可能エネルギー事業等については、既存の再生可能エネルギーの一貫したビジネスモデルの強みを活かし、収益拡大を推進する。中長期的には、分散型の再生可能エネルギー発電と蓄電池・調整機能を組み合わせるなど、革新的なビジネスモデルの導入を通じた企業価値創出を目指す。
○収支の見通しについては、2017年度の収支見通しや原発や為替の感応度について記載している。また、2018年度から2026年度の収支の見通しについて、いくつかのパターンに分けて参考として記載。
○新・総特から東電が確保すべき資金規模は2倍に増えている。資金規模が大きくなっている分、実行の難易度や必要となる時間も増加するものと認識している。計画を作るだけで終わらず、本計画に書いたことをしっかりとやっていかなければいけない。
○廃炉の技術的な懸念については、東電だけでなく、機構の支援や国際的なバックアップの中で、得た知見も導入しながら、しっかりと作業に取り組んでいきたい。
○東電委等で非常に大きな規模の金額が示され、経営者として、これを稼ぎ出すことは非常に厳しいものだと認識している。足元の各支出についても、生産性の倍増に取り組んでいく。

 運営委員等からの主な意見は以下の通り。
○生産性改革により10年以内に2,000億円/年の収益改善を実 現するという記載があるが、1つ1つ具体的な裏付けまで検討しているのか。
○前回の新・総特の策定時よりも、今回のプロセスは難産であり、東電と機構事務局の双方に課題を残したと感じている。文章としての出来ではなく、どういった筋で何をやろうとしているのかが明確になっていないのではないか。
○廃炉事業に関しては、現状認識やコミュニケーションの点で東電との認識共有が難しかったと感じている。技術者が陥りがちなことではあるが、タコツボ化せずに、社会に対するリテラシーを持って事業を進めることが必要。
○未踏領域である廃炉事業について、これをやりきれるだけの技術力があるのか確信が持てなかった。また、廃炉実施の体制については、東電だけではやりきれない部分もあると思うので、文章に書かれている以上に意識して取り組んでもらいたい。
○計画については、必要資金規模が倍となった厳しい事業環境や、未踏の廃炉作業などの高いハードルがある中で、最大の努力をして作成されたものだと認識。その厳しさ、難しさが計画の中にも反映されているのではないか。
○送配電や原子力発電の分野の共同事業体設立に向けた取組について、取組が10年後以降なのか、具体的な利益創出が10年後以降なのか、誤解のない記載とすべき。
○送配電事業の課題として記載されている項目について、課題だけが書かれているわけではないので、適正な表現にすべき。
○廃炉事業については、現状から更なる改善をしていくという、技術的な意欲、他に学ぶ謙虚な姿勢、それを社会に伝え、社会をリスペクトしながらやっていくという真摯な姿勢を持って進めてもらいたい。
○廃炉事業については、機構やIRIDも含めたオールジャパンで取り組むべき課題であり、まずはそこの共通認識を持つことが必要。

3.経営評価について
 機構事務局より、経営評価の検討状況について、以下の通り、説明があった。
○2014〜2016年の3年間で、賠償の支払、生産性の倍増、ホールディングカンパニー制への移行、JERAに係る取組などについては、一定の成果等を挙げたと認められる。
○他方で、安全意識の浸透が不十分だった点、明確な責任分担のもとでトップ以下一丸となった信頼回復ができなかったという点など、進捗が不十分だったと認められる。
○従ってこれらを踏まえ、機構は、上記評価や環境変化を勘案し、東電経営への国の継続的関与が必要であると判断したい。これに従い、機構は、2分の1超の東電ホールディング議決権の保有及び機構役職員の派遣の双方について、現行の通り継続することとしたい。
○同様の趣旨の文章を、新々・総特の冒頭部分にも現在の評価として記載したい。

 運営委員等からの主な意見は以下の通り。
○進捗が十分でなかった項目のサマリーとして考えると、概要の文言が若干不正確ではないか。
○進捗が見られた点、不十分だった点を踏まえ、最終的な結論に至る説明の箇所について、総括としての総合評価を記載する方が分かりやすいのではないか。



(以上)