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第58回原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員会 議事要旨


日時:平成29年3月24日(金)15:00〜16:30
場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事要旨:
1.機構予算及び負担金について
 機構事務局より、機構予算及び負担金について、以下のとおり説明があり、議決が行われた。
○機構予算については、国会に提出されている政府予算案も踏まえ、新たに交付国債枠を4.5兆円増額するとともに、過去に東電に出資した資金(1兆円)の借換え等のための借入金・機構債の枠を計上予定。また、中間貯蔵施設費用として、政府交付金470億円を計上予定。
○機構の事業費としては、賠償部門は1.9億円程度効率化し、廃炉部門は新たな積立金制度の成立にも対応できるよう、あくまで予算上ではあるが、同額程度増額予定。
○負担金については、一般負担金は、前年と同率・同額に、特別負担金については、新・総合特別事業計画の収支計画及び同年度の収支の見通し等を踏まえ、交付国債の元本分を早期に回収する必要性及び廃炉の実施や中長期的な企業価値の向上等を含めた円滑な事業運営のための原資の確保の必要性も踏まえ、1,100億円とさせていただきたい。

2.経営評価について
 機構事務局より、経営評価の検討状況について、以下の通り、説明があり、各分科会での議論等について、状況報告がなされた。
○経営評価については、賠償・復興、廃炉・原子力安全、競争・連携の3分野について、それぞれ部門コミットメントを基準として評価を行い、この評価結果を踏まえて議決権比率の低減と役職員派遣の終了について判断を行うこととなっている。
○賠償・復興、廃炉・原子力安全、競争・連携の3分野の評価について、各分科会で議論を行い、評価案を作成しているところ。

 運営委員からの主な意見は以下の通り。
○経営評価については、内容に応じて、よりメリハリをつけて評価すべき。
○廃炉については、まだ緒についたという感じでもない。経営評価に関しても、例えば、「40年廃炉作業に向けた土台づくり」の項目などで厳しい評価。また、情報発信については、情報をストレートに出せば正確というものではなく、質的にも「精確」に発信することが必要。
○廃炉については、常にマイナスから始まっているという意識を持ち続けて実施していくことが必要であり、それがその他の業務にも繋がっていくこととなるので、その点、明確に指摘すべき。
○今後の廃炉作業など、まだまだこれから資金が必要となる段階であり、現時点で、国の関与のあり方を見直すことは困難ではないか。
○国や機構の関与については、現在のような構図がなければ、例えば、特別負担金について適切な金額を納付させることは難しく、その点を含め、引き続きしっかりグリップしていかないと会社の体質を変えることはできないのではないか。
○特に競争・連携分野について厳しい評価となっているが、確保すべき必要資金規模が増大し、その大部分を東京電力が収益を上げて負担していく必要があることも踏まえれば、厳しい評価にならざるを得ない。
○「賠償・復興」「競争・連携」「廃炉・原子力安全」の3分野は独立しているわけではなく、例えば廃炉作業の状況が復興に対して影響を与え得るなど、相互の関連を議論していくことが重要な視点ではないか。
○廃炉・原子力安全の課題を解決することに加え、企業価値向上に取り組むことが、喫緊の課題。
○競争・連携分野の中でも送配電事業は今後もコストベースの規制が続く事業であり、一方で自由化される発電・小売部分の経営環境は今後厳しくなっていく。そういった点も踏まえてリスク対応等の評価することが必要。
○東電の設備投資と減価償却の規模は、震災前と震災後でどの程度変化しているのか、把握が必要。

3.新々総合特別事業計画について
 東京電力より、新々総合特別事業計画のうち、各事業会社の計画について、以下の通り、説明等があった。
○燃料・火力事業については、国際競争力あるエネルギーの供給、企業価値向上による福島責任への貢献を掲げている。包括的アライアンスを推進するとともに、安定的かつ競争力を備えた燃料ポートフォリオの構築、火力発電所のO&M改革等に取り組み、企業価値向上を実現する。
○送配電事業については、過去に捉われない視点で非連続の事業構造改革を行うとともに、再編・統合により強化する財務基盤等を活かし世界エネルギー市場へ展開する。託送原価の低減や広域連系強化を進めるとともに、アライアンスを取り入れながら宅内IoT等の事業領域の拡大に取り組む。中長期的には海外送配電事業者のM&Aも視野に入れる。
○小売事業については、需要減少に臆することなく、省エネビジネスを新規事業の柱とし、宅内や個人向けサービスへの事業領域を拡大する。3年後に売上4,500億円の獲得を目標とし、ガス販売の拡大、省エネを軸としたサービスの開発・展開、アライアンスを活用した全国規模での事業展開を進める。
○HDのコーポレート部門については、企業価値増大に向けたグループ全体戦略の策定や、人材・資金等の経営資源の最効率活用に取り組むとともに、共同事業体設立に向けて、検討体制の早期立ち上げる。また、コミュニケーション機能の強化のため正確な情報発信と社内の意識改革を進める。
○原子力事業については、「地元本位」の姿勢で社会や立地地域をはじめとする社会の信頼を得られる事業運営体制を構築し、信頼回復の上で再稼働を実現することを目指す。中長期的には、安全性の確保を前提としたメンテナンス費用等の効率化、国内事業者との連携強化を図り、将来的には海外事業者との連携・協働も視野に入れる。
○小売事業について、自由化が始まって以来約50社程度全国で異業種とのアライアンスを組んでおり、ウィンウィンになる事業を見極めながら、進めていく。
○企業価値7.5兆円を達成するために将来的には海外展開も視野に入れることが必要であり、再編統合を通じて、東京電力が有していないノウハウを得て、海外展開を行っていくことも検討していく。
○メルトダウン公表の遅れや免震重要棟のような事例を分析すると、対外的な説明の在り方以前に、まず組織として社内の部署間の情報共有や認識の共有が不十分となっている部分がある。

 運営委員からの主な意見は以下の通り。
○3年前の新・総特は株式価値5兆円を目指すものだったが、その目標値は上振れており、その実現に向けて、チャレンジングなものを含めて定量的な項目を書き込んでもらいたい。
○賠償・廃炉費用を賄った上で、企業価値向上を実現するための収益力を持続的に達成する必要があり、計画全体から収益力向上・企業価値向上に向けた努力が読み取れるよう、言葉の使い方を含め、よく考えて計画を作成すべき。
○アライアンスや共同事業体がキーワードになっているが、どのようにこれを進めて収益を生んでいくのか、より具体的に書きこむべき。相手がある話なので書きにくいことは一般論としては言えるが、その悩みが文章からにじみ出てこないと説得力がない。
○今後、東京電力の事業エリアの外に出て営業をしていくわけだが、アライアンスの組み方や競合他社との競争について、戦略や勝算があるのか。
○再編統合を進めるためには、1Fの負担を負わされるのではないか等の他電力の懸念を払拭し、東京電力と組むことで自らの企業価値も上がるというスキームをしっかり作っていかなければならない。
○アライアンスについては、送配電、原子力等、事業ごとに性質が異なると思うが、他社にどういったメリットがあるのかきちんと整理して進めるべき。
○東京電力は、原子力を始め、非常に技術的専門性の高い事業を行っているため難しさもあると思うが、広報担当部署が分かりやすい情報を、一貫性を持って提供していくことが重要。
○コミュニケーションの問題について、メルトダウン問題も免震重要棟の問題も東京電力としての考え、ロジックをきちんと説明できていないのではないか。技術者集団であっても、基準を満たすことだけではなく、その基準の持つ意味や目的まで遡って説明できなければならない。
○メルトダウンの公表の遅れなど、社会的に問題になった事象については、その対応策も含め、どこかでまとめて情報を整理しておくべきではないか。
○東京電力ホールディングスもしくは東京電力グループをとりまく内外の外的環境について、もっと精緻な分析を行い、それに基づいた戦略の検討を行うべきではないか。
○大幅に収益を上げるためには、長期的には海外進出を視野に入れた戦略とすることが必要。
○燃料火力におけるJERAの推進が、他の共同事業体設立の良い先例になると思うので、しっかり進めてもらいたい。
○送配電事業については、本来は値下げ原資に回すこととなる合理化分を、廃炉費用に回すことができるようになっており、国民感情の点から考えてもしっかり取り組んでもらうことが必要。
○小売事業の記述については、具体的で、数字も書かれており、基本的には分かりやすいが、外的環境を踏まえた上でメリハリのある施策を行っていくことが必要。
○コーポレートについて、福島事業への貢献ルールの設計というのは、パートナーとなる事業者へのいわゆるリスク遮断のことであると認識。分かりやすい記載とすべき。
○事業が広範にわたり、外部環境が複雑化するほど、コーポレート部門は多くの機能を求められる。スリム化することだけを目指すと、コーポレート部門の本来の役割を果たせなくなるので、最適な人員配置と効率的な人材活用を目指すべき。
○原子力事業については、安全を大前提に柏崎刈羽原発再稼働を進めることが重要。また、廃炉ビジネスをグローバルに展開していくのであれば、そのビジネスモデルを早期に提示することが必要。



(以上)