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第54回原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員会 議事要旨


日時:平成28年12月27日(火)14:00〜15:30
場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事要旨:
1.政府における閣議決定等の報告について
 機構事務局より、12月20日に閣議決定された「原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針」と、同日付で公表された「東電改革提言(東京電力改革・1F問題委員会[2016年12月20日])」について、その概要等を報告などした後の、運営委員からの主な意見は以下の通り。
○いわゆる東電委員会の提言において、廃炉が年間3,000億円程度、賠償については年間2,000億円程度、共に30年程度で支弁する旨が記載されているが、今年、東電が支払った負担金は総額で1,267億円であり、大幅に金額が増えることとなる。これを具体的にどう捻出していくのかのイメージがつかめない。
○賠償費用の準備不足分については、どのような説明で負担してもらうのか。他の電力会社にとっては、今でも一般負担金で大変な中で、更なる負荷について、どう考えるべきか。
○大手電力と新電力の負担額については、金額規模も含めて、国民にわかりやすく示すべき。特に、再エネ賦課金で2.25円/kWh負担している中で、賠償費用の準備不足分は0.07円/kWhではあるが、これも料金明細票等にも明記すべき。
○柏崎刈羽原子力発電所が稼働した場合、現在申請中の2基で年間1,000億円の利益が出ると言われているが、これまでも相当額の投資がなされているはずであり、その辺りのバランスシートはどう考えるべきか。

2.現行の新・総合特別事業計画の一部改訂と、新たな特別事業計画の策定について
 東京電力ホールディングスより、現行の新・総合特別事業計画の一部改訂と、新たな特別事業計画策定に向けた議論について、以下のとおり説明があった。
○2017年1月以降の農林業に係る新たな賠償の実施に加え、これまでの応諾実績を踏まえた除染等費用の見積額が増加したこと、さらには、出荷制限や風評被害等の見積期間延長や支払実績が増加したこと等により、要賠償額が大幅に増加。
○この要賠償額の増額を受け、本日12月27日付けで、東京電力ホールディングスから機構へ、資金援助額を7,078億9,200万円増加させていただきたい旨の変更申請を実施させていただいたところ。
○この資金援助申請額の増額を受けた新・総合特別事業計画の一部改訂についても、ご議論いただいたのち実施したい。
○来年度以降の新たな特別事業計画については、論点を整理しつつ、社内で議論を開始しており、今後改訂案を作成していきたい。
○新たな特別事業計画には、現行の新・総合特別事業計画の策定以降、東電が取り組んできたことをきちんと記載するとともに、東電委員会の改革提言において、「福島第一原子力発電所事故に関連して確保すべき資金の総額が22兆円である」旨がしめされたことや、自由化を始め電力の販売についても厳しい環境下にあることなどに、まずは言及したい。
○加えて、東電委員会の提言を踏まえ、経済事業、福島事業、原子力事業とに分けた上で、それぞれの経営改革の方向性について記載するとともに、次世代リーダーの登用と権限の委譲についても記載したい考え。
○さらには、内容は変更するものの、現行の新・総合特別事業計画でも記載されている、金融機関への協力要請や今後10年間の収支見通しなどにも言及する必要があると認識。

上記説明に対する、運営委員からの主な意見は以下の通り。
○要賠償額の増額について、賠償の内訳ごとに、伸び率を見ながら、今後どの程度まで増加する可能性があるのか精査すべきではないか。例えば、風評被害の金額は減少はしているものの継続するようにも考えられるが、そうではないという話も聞く。
○東電委員会の提言は、東電が大きく発展すると、福島も良くなるし、国民全体が良くなる、という単純なトーンで貫かれている。廃炉についても、廃炉を貫徹して国際的なテクノロジー企業に発展していくとか、稼ぐことが福島事業への貢献であるといった記載がある。これらは、東電の考えを反映しているのか。
○「不足が生じた場合には、負担金の円滑な返済のあり方について検討する」とされている除染に必要な資金を含め、約22兆円に膨らんだ費用について、具体的にどのような方策によって、どのくらいの期間に、いくらずつ確保していくのか等について、今後策定していく収支計画等において責任をもって明記すべき。
○新たな特別事業計画を作成し、それを実行していった時に、実際に必要な収益が上がり、キャッシュフローが生み出され、また株式価値も上がる、そういう説得力のある絵姿・事業計画となっているかという点を確認したい。
○次の決算期は、東京電力がホールディング制を導入して初めての決算期となる。フュエル&パワー、パワーグリッド,エナジーパートナーの3つの会社は、それぞれに監査法人の厳密な審査を受けた上で、株主総会に臨むという理解でよいか。
○新たな特別事業計画に関する東電の基本的なポリシーについては、東電が努力していることも踏まえ、もっとグッドウィルで見てもよいのではないか。
○再編・統合の議論を行っていくにあたり、福島事業への貢献のあり方については、JERAの事例がある中で、仮に別のルールが作られることとなれば、株主を始め、ステイクホルダーの方々への説明が非常に難しくなるのではないか。
○原子力事業に関して、共同事業体を設けることについては、他電力の考えをよく聞く必要があるのではないか。
○今後の東電改革について、次世代の登用と権限移譲に関しては、過去の慣習などにとらわれず、思い切った取組を期待したい。
○新たな特別事業計画に関連して、経済事業を束ねるホールディングスの役割や、送配電事業や小売事業の目指すべき姿、さらには、福島事業における人材・資金等の効率的な活用や適切なリスク管理のための取組などについて、東電の具体的な考え方を説明してもらいたい。


(以上)