トップページ>賠償支援>運営委員会運営委員会議事次第>第37回委員会 議事次第 議事要旨

第37回原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員会の開催について

平成26年12月26日
原子力損害賠償・廃炉等支援機構


本日、以下のとおり第37回運営委員会を開催いたしましたので、お知らせします。


日時:平成26年12月26日(金)10:30~12:00

場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事内容:
  • 新・総合特別事業計画改訂に向けた指示等について


※後日、議事要旨を公表する予定となっております。


(以上)


第37回原子力損害賠償・廃炉等支援機構運営委員会 議事要旨


日時:平成26年12月26日(金)10:30~12:00
場所:原子力損害賠償・廃炉等支援機構 大会議室

議事要旨:
1.生産性倍増委員会の検討結果について
 東京電力より、生産性倍増委員会の検討結果ついて以下の通り説明があった。
○2014年度のコスト削減見通しは8,370億円。「新・総特」目標(5,761億円)を2,610億円超過達成の見通し。8,370億円のうち、恒常的な施策が約8割(6,684億円)、2015年度以降への繰延べが約2割(1,686億円)。
○2014年度の経常損益の水準(見通し)は、生産性倍増委員会におけるコスト削減の深堀り効果等により、原子力非稼働の状況下でも計画を上回る利益を確保できる見込み。
○コスト削減の限界への取り組みとして、需給関係費については燃料契約更改時の単価引き下げ、高効率火力の運転前倒し。資材・工事関係費については、安定供給・公衆安全・法令違反等のリスクの限界まで踏み込んだ緊急避難的な修繕費の繰延べ。人件費については、厳しい年収カットの3年間継続、希望退職等。コスト削減の限界までの取組みにより柏崎刈羽原子力発電所の再稼働遅延の影響を最大限吸収。これ以上の繰延べは、安定供給・公衆安全・法令違反等のリスク顕在化の懸念。
○繰延べを中心としたコスト削減は限界に来ており、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働が不可欠。一方、中長期的には電力完全自由化に対応した競争力確保のため、生産性倍増に向けた10のチャレンジの具体化により、課題解決を図る必要。
○フュエル&パワー・カンパニーにおいては、主力燃料であるLNGの戦略的単価削減を中心に削減額の上積みを目指す。
○パワーグリッド・カンパニーにおいては、現状、修繕単価は国内トップレベルの水準にあるが、繰延べも含まれていることから、今後は後年度負担を抑制するとともに、恒常的な施策をさらに深堀りし、長期的にはオリンピックレベルを目指す。
○カスタマーサービス・カンパニーにおいては、お客様1軒あたり営業費用についてオリンピックレベルの水準を目指す。

 運営委員からの主な意見は以下の通り。
○生産性向上のための今後の取り組みの実効性を確保するため、社外の専門家を活用するなどして生産性倍増委員会のフォローアップをしていくことが必要。

2.新・総合特別事業計画について
 東京電力より、新・総合特別事業計画について以下の通り説明があり、若干の質疑応答があった。
○経営の合理化のための方策について、今後、外部有識者も参画した「生産性倍増委員会」の報告を具体化し、更なる生産性向上・コスト削減を図る。こうした努力により、2015年の1年間は値上げを回避しつつ、全社を挙げて一層の経営合理化に取り組む。
○2016年4月を目途にHDカンパニー制に移行し、賠償・廃炉・除染・福島復興業務、水力・新エネ、原子力発電事業を含む持株会社の下に、燃料・火力発電、一般送配電、小売電気の各事業子会社を設置する。事業運営にあたっては、各事業子会社の経営自主性を最大限尊重する一方、グループ全体に影響を及ぼしうる各社の重要事項と重要人事には、透明かつ合理的なルールの下で持株会社が関与することとし、これによりグループ全体の企業価値の最大化を実現する。

 また、「新・総特」の策定後1年間に生じた状況変化を踏まえ、運営委員会として以下の点等を中心に所要の改訂を行うよう、東京電力及び機構事務局に指示を行うこととなった。

○改訂にあたっては、「福島の復興に力を尽くすと同時に、事故への責務を長期にわたり果たし、国民負担を最小化するため、旧来の電力事業モデルの発想を超えた競争的な事業展開を図り、重い責務を担うに足る経営基盤を確立する」との新・総特の基本目的を達成するために変更が必要とされる内容を基本とする。
○福島の復興政策の方向性について関係者と調整を進め、復興政策と連動した、東電の賠償・復興への貢献策の方向性を示すこと。
○福島第一原発廃炉をオールジャパンのプロジェクト(“ナショナルチャレンジ”)にしていくため、国・機構、実施主体となる東電、そしてメーカーや他の電力会社といった多くの関係者が、それぞれ期待される役割を十分に果たし、効果的に廃炉が進むような連携体制を構築していくこと。
○柏崎刈羽原発の早期再稼働の成否が東電の会社としての今後のあり方を左右することを明確に認識すること。また、東電が、来年1年間値上げをしないことと等を発表したことから、安全対策の実施や地元理解のため、全社を挙げた取組を行うこと。
○コーポレート部門については、競争相手の動向やHD制の長所・短所を十分に踏まえた効果的なグループ全体のガバナンスの仕組みについて、早期に具体的な内容を策定すること。また、「生産性倍増委員会」で掲げたベンチマークを着実に達成するよう、その取組の一層の具体化を図ること。
○東電の企業価値の向上を通じた賠償貫徹の観点から、電力システム改革やガスシステム改革等の制度設計について、必要な要請を政府に行うこと。

など

3.機構・廃炉部門の取組みと戦略プラン策定について
 機構事務局より、「機構・廃炉部門の取組みと戦略プラン策定」について以下の通り説明があった。
○中長期ロードマップに従って廃炉作業が着実に進捗。4号機使用済燃料プールからの燃料取り出しの完了。
○汚染水対策は、引き続き万全な取り組みが必要な状況にあるが、確実なリスク低減が進捗。
○事故の際に溶けて固まった「燃料デブリ」の取り出しは、桁違いに難しく、いわば人類にとっての挑戦。これまでの作業で培ったノウハウに基づき、新たな技術を一つ一つ開発・導入しながら、安全最優先に慎重のうえにも慎重に進めていくべきもの。
○NDFは、この非常に困難かつチャレンジングな課題に対して、作業内容の分析、研究開発が必要な技術の明確化を行い、リスクの低減を大前提とした実行可能な計画(戦略プラン)の策定に取り組んでいる。

(以上)